当院における新型コロナウイルス感染症への対策につきまして

自分の体は自分で守る!心不全の悪化で入院にならないために自宅でできるセルフチェック今すぐできる6つの簡単な方法

しぎょう院長

こんにちは。循環器専門医の執行です。

先日、かかりつけ医をコロナに感染するのが怖いからと受診していなかった方が呼吸が苦しくなり当院のドライブスルー外来を受診するということがありました。

心不全で即入院が必要だったのですが、どの病院も

「現在コロナ対応をしていてベッドがないので受け入れられません」

との返事で入院できないという事態が発生しました。

普段のいつでも入院ができる状態ではもはやなく「医療崩壊」はもうそこまで来ています。

入院しなくてよいように定期的な受診をしてくださいと呼びかけている医院は多いのですが

僕が患者さんならやはり待合室で密になりコロナにかかるんじゃないかという不安があるところに足しげく通うのは嫌ですしできれば受診をしたくないという気持ちは痛いほどわかります。

当院ではドライブスルー外来を導入しそういった患者さんに少しでも安心して受けてもらうようにしていますが、ここまで車で来るのも大変な方もいると思います。

そこで今回は簡単にできることを自分でやってもらい、症状がでる予兆をしり、その際は受診をすることで入院するリスクを減らせればと思い簡単なチェックリストを作りました。

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まず測定するべき6項目はこちら

  • 毎日の体重測定
  • 毎日の血圧測定
  • 毎日の足のむくみチェック
  • 週に1度の自分の顔の写真チェック
  • 夜中にトイレ行く回数
  • 寝るときにベッドを起こしていないかチェック

なぜ毎日、体重を測るのか?

解説します。毎日の体重測定が一番簡単な心臓病管理のひとつです。

というのは心臓に負担がかかると血液のめぐりが悪くなります。その結果体に水分が溜まり、体重が増えることがあります。

体重が増えて「太った」という方がいますが、高齢の方のほとんどは水分が溜まっただけで肉は増えていません。

体重が通常よりも2kg増えた場合はすぐに受診をするようにしてください。

息切れなどの症状が出る危険信号です。

血圧を毎日測定することで心臓の負担やストレスをいち早くとらえ治療を開始できる。

解説します。血圧の上昇は様々な原因で引き起こされます。

血圧があがった原因はなんだろうか?と不安になるでしょうがそれはなかなか答えはでません。しかし唯一正しいこととして

「血圧があがっている状態をほっておくのは心臓に負担になる」

ということです。

だから毎日の血圧を測定し記録を付けることが大切です。

血圧の測定方法は

https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressuremonitor/howtouse.html

毎日の測定時間を決めておくことが大切です。おススメは朝食前と就寝前ですが1度だけが良いという方には当院では朝の血圧をお願いしています。

足のむくみは体の余分な水分のサイン、ほっておくと肺に水が溜まって息苦しくなるので早めに対処しよう。

血液は常に心臓から全身に送り届けられています。それは人間は細胞の集合体で細胞が生きるために血液が常に必要だからです。

しかし血液は心臓から出るときは心臓からポンプのように押し出されますが、帰るときはだれも押してくれません。

血液は水分なので川が山から海に流れるように低いところに流れてたまります。

ではなぜ普段足がむくまないかというと動くたびに足の筋肉がポンプの役割を果たして血液を心臓に押し戻しているからです。

足がむくみ理由は3つ

1)足を全然動かしていない

2)足を動かしていても戻せないくらい血液がある

3)血液の濃度が薄くて血管の外に水分がもれでてしまう

受付でずっと立ち仕事をしている女性が夕方になると足がパンパンになるといった状態です。あまり心臓に負担はありません。

しかし、2)と3)はいつ肺に水分が漏れ出て息が苦しくなるか分からない状態です。

なので自分は絶対に1)だわと思われる方以外は何が原因なのか?そして肺に水がたまる前に治療を受けることをお勧めします。

毎日自分の顔をみていても変化には気付けない。1週間前の自分と比べることで顔のむくみがわかる。

これは先ほどの足とほとんど同じことです。まれですが足がむくまずに顔がむくんでくる方がいます。それに気づくための方法です。毎日自分の顔を見ていると変化に気づきにくいものですが1週間前と比べて明らかにむくんでいる場合は心臓に負担がかかっているサインかもしれません。

最近はじまった夜中のトイレ回数増加は心臓に負担がかかっているサインかも。心不全の初期の可能性あり。すぐに病院でチェックをしよう。

夜に尿が多いというと一般的にみなさん泌尿器科に受診して相談される方が多いと思います。しかし泌尿器科で大丈夫と言われたり頻尿のくすりをもらっている方の一定数が実は心不全なんです。

体は賢いもので心臓に負担がかかると負担を取り自分を守るためにBNPというホルモンを出します。その結果尿が増加して心臓の負担をとるようにできています。

なのでよく採血でBNPやNTproBNPなどの数字をみて治療の善し悪しを判断しますよね。これだけで治療方針が決まるわけではないですが、心臓から負担があるから助けてというメッセージが出ていると思ってもらえれば良いと思います。

この尿が多いという現象が心不全の最初に気づける症状の一つであったりしますのでこれを知らずにいたずらに時間を無駄にしていると呼吸が苦しくなってしまいます。是非チェックをしてください。

寝ている時に背もたれをつかって体を起こさないと寝れないのは心不全、入院間近なので今すぐ受診を

これまで体に水がたまってしまう兆候を説明してきました。

今回の背もたれを起こして寝るというのはすでに肺に水が溜まっている状況です。肺に水分があるので背もたれを起こして水浸しの肺の部分を狭くして何とか呼吸をしているという状況です。

いつ入院をしないといけない呼吸苦がでてもおかしくありません。今すぐ受診してください。

まとめ

突然出てくる呼吸困難を未然に防ぐために自分の体にたまった水分を把握することが重要です。

そのためにできる6つの行動を是非おこなって入院せずにコロナ禍を乗り切りましょう。

以上

参考文献

日本循環器学会急性・慢性心不全診療ガイドライン2017年度版https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2017_tsutsui_h.pdf

John J.V. McMurray et al; ESC acute and chronic heart failure guidelineshttps://www.escardio.org/Guidelines/Clinical-Practice-Guidelines/Acute-and-Chronic-Heart-Failure

この記事を書いた医師

しぎょう院長

Dr. 執行 秀彌(しぎょうひでや)

しぎょう循環器内科・内科・皮膚科・アレルギー科 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

日本循環器学会認定循環器専門医
大阪市立大学医学部を卒業後
国立循環器病研究センター病院や住友病院等を経て2020年4月に開業
最寄駅:JR立花(徒歩20分)および尼崎センタープール前(徒歩10分)

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