当院における新型コロナウイルス感染症への対策につきまして

自分の高血圧治療にあった専門医の選び方を知ろう。

しぎょう院長

こんにちは、循環器専門医、総合内科専門医の執行です。

本日のテーマは専門医と高血圧についてです。

私は循環器専門医という心臓の専門家であり総合内科専門医という内科全般のこともそこそこ専門的に治療できるという医師ですので

「高血圧は是非循環器専門医&総合内科専門医で治療を受けてください」

と言いたいですが、それでは当院のタダの営業トークですし実際にはそれ以外の専門医で治療を受けた方が良い患者さんはいますので、本日は患者さんの立場から専門医を使い分けられるように解説したいと思います。

腐るほど存在する専門医資格の数々。お金を払えば誰でももらえるような資格もあるので騙されないようにしよう。

解説します。

そもそも専門医ってだれが認めるの?というお話です。

世の中には医師でもそんな専門医資格あったのね?という冗談のような専門医もあり本当に意味のある資格かどうかは医師でないと到底判断がつきません。

そんな状況のなか日本専門医機構という厚労省のお墨付き団体が発足し、その団体が認定している(意味があるということを一応保証する?)専門医で基本領域で19、サブスペシャリティ項目で23と認定されているものだけでも42あります(令和元年9月現在)。詳しくはこちら https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/gaiho_2019.pdf

その中で血圧に関与する専門医としては

総合内科専門医

循環器専門医

腎臓専門医

内分泌専門医

糖尿病専門医

くらいになるかと思います。

なお、間違っても外科医の先生に適当に血圧の薬を出されることはないようにしてください。

なかには良い先生もいるでしょうが血圧を管理する上で重要な数字化できない部分を把握するにはかなりの労力と時間がいります。「手術の合間に片手間」に教科書を勉強した程度の知識では到底内科医には及びません。

当たり前ですよね。毎日患者さんの血圧がどれくらいなら心臓や血管がどうなるかをリアルタイムで測定し、その管理が上手くいかないことで起こる「心不全」や「狭心症」などの大変な事態を解決しなければならない業務をしょっている僕らと病院勤務の時は自分では一切血圧の管理をしないし血圧の管理がうまく行かなかった合併症を丸投げできてしまう人が血圧の管理力に差がつくのは。

いえいえ、しっかりと開業後勉強して血圧管理を家庭医として取り組んでますよ!という方もいるかもしれませんが所詮は「高血圧ガイドライン」を読んでます、くらいです。

血圧の治療は目に見えないところが大切です。それは患者さんには分からないでしょう。僅かな差の積み重ねが将来の血管病のリスクを下げます。

毎日の気付けないコツコツとした積み重ねを一緒に伴走していく医師が「片手間治療」をする変な医者に当たらないようにこの記事を活かせてもらえればと思います。

愚痴はこれくらいにして「内科医」であることを前提としてこれから専門医について説明していきます。

総合内科専門医は血圧の治療とは関係ないが、総合内科専門医は内科医としての最低限の経験の証。総合内科専門医がない医師はもしかしたら外科医かも?

内科の専門医、それが総合内科専門医。

総合内科専門医とは、と内科学会にその医師像が書かれています。

総合内科専門医は,地域医療,外来診療にあってはレベルの高い一般・総合内科専門医,病棟においては患者の診断,治療において総合的に判断できるレベルの高いホスピタリストとして,地域医療ネットワーク,病院内の医療チームの要として機能する一般・総合内科の指導医である。

さらに,これらを実践できる医師の教育や方法論研究を担える能力を有する教育医・研究医・指導医である・・・

かなり高邁(こうまい)なことが書かれていますが、本当にこんなことがみんな出来るかはさて置き、取るために内科医として登録をして臨床研修を一定期間(私の時は6年今は5年)受ける必要があります。また受験するために内科全般の項目を網羅して担当する必要があり内科指導医からレポートの合格をもらわないと受験すらできません。

ですので「間違いなく内科医」ということは言えますし「おそらく内科全般の知識はそこそこある」とも言えます。

大きい病院に行くといろいろな科目があり、受診したらその科目の専門家が出てくるのが当たり前ですが、診療所ではそうではありません。

今まで診たことない病気をさも知った風で「大丈夫!気にしすぎ!薬出しとくから」とあしらっている外科医が「内科」を掲げているところはたくさんあります。

けど患者さんはそんなの分からないですよね?なので持っているから素晴らしい医師とは限らないけど「最低限の内科医であることは間違いない」安全保障として捉えてもらえれば良いかと思います。

内科学会に怒られそうですが・・・

さてここから内科医であることを前提としてそれぞれの専門医の特徴をみていきたいと思います。

腎臓の保護ではこの医師の右に出るものはいない。腎機能が低下している方が血圧の管理をしてもらうなら腎臓専門医を他にない。

解説します。

腎臓専門医とは文字通り腎臓の専門家です。腎臓は傷んでくる前に治療をすれば透析などになりにくいのですが、実際は傷んでから専門医に紹介されたり場合によっては透析になってから紹介されることが多いのが現状です。

そういった変化をいち早く気付ける、かつ傷み始めた腎臓の保護に特化していると言えると思います。

ですので、蛋白尿や尿潜血を指摘された方、腎臓の機能が低下している方などの高血圧はまさにうってつけの専門医と言えます。

内分泌専門医はホルモンの専門家。甲状腺や下垂体、副腎など聞いたことがあまりない臓器の病名を疑われたら紹介をうけて受診しよう。血圧の管理とはあまり関係がない。

学会のホームページに、「内分泌代謝科専門医は体の広い範囲に及ぶ臓器の内分泌代謝疾患を専門的に診察し治療する医師です」と書かれています。

良く分からないですが、内分泌代謝疾患の専門家ということになります。

では「内分泌代謝疾患とはなんですか?」ということが気になりますが、

内分泌というと甲状腺や下垂体、副腎などからホルモンというものが出ています。焼肉のホルモンとは全く関係がありません。

ステロイドという言葉を聞いたことがあると思いますが、ステロイドも副腎から出ているホルモンの一種です。

つまりホルモンに異常がある患者さんの治療の専門家と言えると思います。

https://www.med.kindai.ac.jp/diseases/refractory_hypertension.html

みていただくと分かるようにホルモンの異常による高血圧は全体の中で1割程度です。ですので最初から「私はホルモンの異常=二次性高血圧だわ」と思って受診する必要もないですし内科医であれば二次性高血圧を疑い検査をして必要なら紹介をしますので最初からあえて決め打ちをする必要はないかと思います。

ここぞというときに頼りになるバントの名手、川相選手のようなイメージです。

高血圧の治療が始まるかというプレーボールの最初にバントしませんよね。ですので、内分泌の専門的な治療が必要な時に医師から紹介をうけて受診をすることをおススメします。

糖尿病専門医は糖尿病治療の専門家。専門的な糖尿病治療が必要な方は受診すべき。

糖尿病の専門医です、糖尿病の管理にかけて右に出る者はいません。なのでインスリンを使用しているような糖尿病患者さんで血圧の管理も一緒にしてもらうのはおすすめです。

ここで問題になってくるのが、心臓が悪くて、重症な糖尿病のある方がどちらにかかるべきかという点です。病院勤務の時に心不全の悪化などの開業医からの紹介は圧倒的に糖尿病医からの方が多かったです。循環器専門医の方が心臓疾患患者さんを普段抱えているのにです。

なので少しポジショントークにもなってしまいますが、先ほどのような方が両方の医院を使い分けられたら一番良いですが、出来ない場合は循環器専門医の方がよいと思います。

入院するように悪化しないように通院しているのに、数字だけ整えてもらって結局心不全で入院となってしまっては意味がないので。

循環器専門医は心臓血管の専門家、一度傷めてしまった心臓や血管はもとに戻らない。症状が出ないように血圧を管理するのは循環器専門医の分野。

先ほども書きましたが循環器専門医は心臓血管の傷んだ患者さんの最後の依り代です。

テレビドラマや映画でも良く見る華々しい心臓手術やカテーテル治療を行うのも循環器専門医です。しかし実はそんな華々しいことばかりしている訳では当然ありません。

例えば心臓手術のお膳立てをするのは循環器内科医です。

昔のドラマで恐縮ですが、医龍をご存じでしょうか?

坂口憲二が扮する天才心臓外科医が華々しく手術を行いますが、手術前の状態をなるべくよく持っていく、そもそも手術を受けるかどうか患者さんをずっと見守って判断するのは佐々木蔵之介(循環器内科医)の役目です。

医龍より

野球でいうと心臓外科医は4番でエース、循環器内科医はグラウンド整備かもしれません。でもずっと見守っているのは循環器内科医=整備するスタッフです。

なのであなたが血圧の管理を心臓や血管のダメージを起こして心筋梗塞や大動脈解離などの事を起こしたくないために毎回受診するなら循環器専門医がおすすめです。

まとめ

まずは日々の管理は内科医にお任せしよう。内科医でないのに内科を標榜する医師は多くいるので内科医かどうかは総合内科専門医かどうかで判断しよう。

腎臓が悪い方の高血圧は腎臓専門医に見てもらうのが良い。

糖尿病があり心臓が全く悪くない患者さんは糖尿病専門医に見てもらうのが良い。

内分泌専門医は最初から受診する必要はあまりない。かかりつけからの紹介で受診をしよう。

循環器専門医は実は裏方。裏方だからできる細かいコントロールで心臓血管の病気を予防しよう。

以上

この記事を書いた医師

しぎょう院長

Dr. 執行 秀彌(しぎょうひでや)

しぎょう循環器内科・内科・皮膚科・アレルギー科 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

日本循環器学会認定循環器専門医
大阪市立大学医学部を卒業後
国立循環器病研究センター病院や住友病院等を経て2020年4月に開業
最寄駅:JR立花駅(徒歩20分)および尼崎センタープール前駅(徒歩10分)