当院における新型コロナウイルス感染症への対策につきまして

あなたの「おしっこ」が高血圧治療にとってとても重要なのを知っていますか?

しぎょう院長

こんにちは、しぎょう循環器内科の執行です。本日は高血圧で塩分に気をつけているけどなかなか効果がでないと悩まれている方にぜひ知ってもらいたい内容です。

この記事を書いている人

しぎょう循環器内科・内科・皮膚科・アレルギー科 院長 執行秀彌           

【資格】

日本循環器学会専門医

日本内科学会 総合内科専門医 指導医  

日本心臓リハビリテーション指導士

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〜尿中のあるものを測定して「見えない塩分」を見える化する最新医療〜

あなたの”塩分摂取量”が本当に減っていますか?

「減塩に気をつけているつもりなのに、なぜか血圧が下がらない…」

「味気ない食事・・・いつまで続けたら効果が出るんだろう・・・」

このような思いありませんか?

ご存知のとおり、日本人の死因トップ3のうち2つ(心疾患・脳血管疾患)は、高血圧と深い関係があります。そして高血圧の最大の原因の一つが「過剰な塩分摂取」です。日本人は元来塩分が多めの食事をしがちです。

年々低下しているとはいえ、厚生労働省の発表では日本人の平均塩分摂取量は約10g。これは世界保健機関(WHO)が推奨する量(5g未満/日)の2倍以上にあたります。

しかし、問題はそれだけではありません。もっと重大なのは…

あなたは知らないうちに塩分過多になっているかも・・・

当院の外来でも多くの方が「塩に気をつけている」とおっしゃいますが、実際には:

  • 加工食品やレトルト食品に含まれる「隠れ塩分」
  • 外食やコンビニ食の意外な高塩分
  • 調味料の使用量の曖昧さ
  • 「減塩しょうゆ」などの誤った安心感

いやいや!ちゃんと成分表示をみて塩分を確認しているよ!と怒られそうですが、実は当院での検査では結構塩分をとっていることが多いです。

つまり、意識していても実際の摂取量は把握できていないのが現実です。

食事記録による塩分摂取量の推定は、研究によると実際の摂取量と最大40%もの誤差があることが分かっています。

ではどうすれば良いのか?

「尿中ナトリウム測定」で真実を知る

でも、もう心配はいりません。

最新の医学が、あなたの本当の塩分摂取量を「見える化」する方法を確立しました。

それが尿中ナトリウム測定です。

この検査では、あなたのおしっこに含まれるナトリウム(塩分の主成分)の量を科学的に測定します。摂取した塩分の約90%は尿中に排出されるため、この方法によってあなたの実際の塩分摂取量を高い精度で推定することができるのです。

【尿中ナトリウム測定のメリット】

  1. 客観的な数値で現状を把握できる
  2. 個人の体質や生活習慣を考慮した評価が可能
  3. 減塩の効果を可視化できる
  4. あなただけのオーダーメイド減塩アドバイスの基礎データになる

従来の「なんとなく減塩」から、科学的根拠に基づいた「的確な減塩」へ。それが、この検査の最大の価値です。

今こそ、科学的アプローチで健康を手に入れる時

当院では、この「尿中ナトリウム測定」を中心とした科学的減塩プログラムを導入しています。

検査の流れはこんなに簡単:

  1. 朝起きてすぐの尿を採取(ご自宅または当院で可能)
  2. 専門機関で尿中ナトリウム濃度を測定
  3. 結果をもとに、循環器専門医が詳しく解説
  4. あなたの生活習慣に合わせた、具体的な減塩アドバイスを提案

痛みも苦痛もない簡単な検査なのに、得られる情報は非常に価値があります。

特に以下のような方には、ぜひ受けていただきたい検査です:

  1. 高血圧と診断されている方
  2. 高血圧の家族歴がある方
  3. むくみやすい方
  4. 減塩に取り組んでいるが効果が実感できない方
  5. 薬に頼りすぎずに健康管理したい方
  6. 将来の生活習慣病リスクを下げたい方

医学的根拠に基づく減塩は、薬に頼らない健康管理の第一歩。実際、適切な減塩によって血圧が平均5〜8mmHg低下するというデータもあります。これは一部の降圧薬と同等の効果です。

さらに、定期的に検査を受けることで、あなたの努力が数値として「見える」ようになります。減塩の効果を実感できれば、継続するモチベーションにもつながります。

今すぐ、あなたの健康を「見える化」しませんか?

「塩分の見える化」で、あなたの食事療法が変わります。

  • 血圧の安定
  • むくみの軽減
  • 将来の脳卒中・心筋梗塞リスクの低減
  • 腎機能の保護
  • 薬への依存度低下の可能性

わずか1回の「おしっこ検査」から始まる健康への道。最初の一歩を踏み出してみませんか?

ご自身の健康を「なんとなく」ではなく「科学的に」管理する時代です。これからの人生をより健やかに、より自信を持って過ごすために、ぜひ「尿中ナトリウム測定」をお試しください。

あなたのおしっこが、あなたの健康を守る鍵になります。

参考文献

  1. 日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019. 日本高血圧学会, 東京, 2019
  2. World Health Organization: Guideline: Sodium intake for adults and children. Geneva, WHO, 2012
  3. He FJ, Li J, Macgregor GA: Effect of longer term modest salt reduction on blood pressure: Cochrane systematic review and meta-analysis of randomised trials. BMJ 346: f1325, 2013
  4. Kawasaki T, et al: The simple method to estimate 24-hour urinary sodium excretion using spot urine. Clin Exp Pharmacol Physiol. 2016;43(3):258-65
  5. 厚生労働省:令和3年国民健康・栄養調査報告. 厚生労働省, 東京, 2022
  6. Sacks FM, et al: Effects on blood pressure of reduced dietary sodium and the Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) diet. N Engl J Med. 2001;344(1):3-10
  7. Cook NR, et al: Long term effects of dietary sodium reduction on cardiovascular disease outcomes: observational follow-up of the trials of hypertension prevention (TOHP). BMJ. 2007;334(7599):885
  8. 日本腎臓学会:CKD診療ガイド2018. 東京医学社, 東京, 2018
  9. Mente A, et al: Association of urinary sodium and potassium excretion with blood pressure. N Engl J Med. 2014;371(7):601-11
  10. Aburto NJ, et al: Effect of lower sodium intake on health: systematic review and meta-analyses. BMJ. 2013;346:f1326
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