こんにちは、循環器専門医の執行です。
あなたはいびきを指摘されたことはありませんか?
- いびきがうるさくて隣で寝られないと言われた
- 寝ているときに息が止まっていることがあると言われた
- 日中の眠気が強くて運転中ついついうとうとしてしまってヒヤッとしたことがある
- 寝ているときに息が止まっていることがあると言われた
もしあなたが一つでも当てはまっているなら、
睡眠時無呼吸症候群かも知れません。
じつは知らない間にあなたの体が蝕まれているとしたらどうしますか?
睡眠時無呼吸症候群とは?
寝ている間に呼吸が止まる病気で、平均して1時間に5回以上、それぞれ10秒以上呼吸が止まる場合は、危険な状態の可能性があります。
無呼吸をほっておくと寝ている間に呼吸が止まることで血圧があがったり、体が低酸素になる、息を吸おうとしても吸えず心臓や肺に圧がかかるなどで心臓や脳への負担が蓄積されていきます。
それを続けることで脳や心臓などに重い障害を起こすことが知られています。
あなたが無呼吸であるかセルフチェックをしてください!
□イビキをかいていると指摘されている
□息が止まっていたと指摘されたことがある
□日中に眠気が出ることがある。運転中や会議など寝てはいけないのにうとうとしてしまうことがある
□熟眠感がなく朝起きても気だるい
□体重が若いころよりも10kg以上増えている
□メタボリックシンドロームを指摘されている
□顎が小さくシャープなほうだ
□首が短い
もしひとつでも当てはまるのなら是非一度ご自分の体の安全のために簡単な検査を受けてください。
凄くいびきがあるけど特に困っていないし・・・と思われているかもしれませんが、実は無呼吸であることが突然死リスクをあげることがわかっています。
睡眠時無呼吸は高血圧、狭心症、心不全、不整脈などリスクを2倍以上にあげる
先ほど突然死リスクについて言いましたが、上の図をご覧下さい。
世間では睡眠時無呼吸とあまり関係がない科が治療に当たったりします。しかし無呼吸の症状がない方も治療を受けたほうが良い理由のほとんどは循環器疾患による心臓、脳血管の損傷を予防するためです。
無呼吸を良くしたらすぐにリスクが健康な人と一緒になるわけではありません。
無呼吸の治療と並行して総合的に脳梗塞、心筋梗塞など血管が痛んで起こってしまう病気を予防する治療を受けることが本来の意味に沿います。
当然心臓血管の専門家としてそれらの治療を提案します。
もしあなたがただ「いびき」を減らしたいだけなら機械をつければよいのであまり科目にこだわる必要はないかもしれませんが、いびきを減らして将来の自分の健康のために治療をしたいというお気持ちがあるなら循環器内科での治療をお勧めします。
睡眠時無呼吸だったらどうしようと不安になったら、まずは簡易検査を受けよう。入院せずに自宅で検査可能
忙しい時に検査のために入院をしたりするのは非常に厳しいと思います。幸いなことに睡眠時無呼吸の検査はご自宅でご自分のベッドで可能です。検査の機器を専門担当者が持参します。使い方を直接お伺いし説明します。
上の図のように手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態から睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べます。
ご自宅で行うので、普段と変わらず日常生活を行えもちろん仕事にも差し支えありません。なによりも普段と同じ寝具で検査することができます。
実際の検査は酸素飽和度を調べる検査(パルスオキシメトリー)と、気流やいびき音から気道の狭窄や呼吸状態を調べる器具を装着し寝ます。
検査の値段は3割負担で2200円ほどです。
※検査結果によっては入院による精密検査が必要なことがありその場合はご案内いたします。
睡眠時無呼吸の治療はマスク着用が一番
CPAPマスクという鼻や鼻と口あてるマスクによる治療法を行います。
睡眠時にマスクをつけることでといびきが消失し日中の眠気がなくなるのはもちろん、脳梗塞や心筋梗塞などの心血管系のリスクが低下することがわかっています。
当院で行っている方もほぼすべての方が日中の眠気の消失や血圧の低下などがみられています。
治療がスムーズにいくのかご不安な方もいらっしゃると思いますがほとんどの方が最初から特に問題なく治療を受けられています。しかし一部マスクが合わない、のどや鼻が渇く、空気の圧力が不快だと合わない方がいます。当院では鼻や顔の形にフィットしたマスクに変更したり、加温加湿器を使用したり圧力を抑えるなどの対策をしてほぼ全員問題なく治療を受けられています。
さて、ここで治療は終わりでしょうか?実はこれは治療の始まりです。睡眠時無呼吸を患っている方は高血圧、高脂血症などの病気をはじめすでに血管や心臓が傷んでいる方が多いのは先ほども説明しました。
睡眠時無呼吸を治療するのと並行して自分自身の心臓や脳をしっかりと把握しないといけません。詳しくはこちらをご覧下さい。