こんにちは、しぎょう循環器内科皮膚科の執行です。
早速ですがあなたはご自分の血管年齢を把握していますか?
血管年齢は医学的に用いられる言葉ではないのですが、患者さんにとって分かりやすいので度々用いられます。血管は生まれたときは柔らかく弾性に富んでいますが年齢を経るごとに徐々に硬くなっていきます。それが動脈硬化ですが、生活習慣や遺伝子などそれぞれで違います。
ご自分の血管の硬さが周囲の同級生と比べてどうなのかを分かりやすくしたものが血管年齢です。
どのように計測するかは計測機器の会社の企業秘密ですが、動脈硬化指標である、血圧や脈波などを用いて血管年齢を測定します。つまり機能的な健康状態を年齢に例えて表したもので、実年齢より血管年齡が高ければ、血管の老化が進んでいる可能性があります。
当然血管が老化すると、心臓病や脳卒中のリスクが高くなります。そのため、血管年齡が実年齢より大幅に高い場合は、生活習慣の改善や薬物治療などで、血管の老化を防ぐ対策が必要になる可能性があります。
一方、健康的な生活習慣を送っていれば、実年齢より血管年齢が若くなることもあります。血管年齢は、あくまでも目安ですが、自分の血管の健康状態を理解する上で参考になるでしょう。定期的に血管年齢を確認し、生活習慣の見直しにつなげることが大切です。
血管年齢があがっていそうな人のチェックリスト
- – 喫煙習慣がある
- – 運動不足で座り過ぎの生活
- – 塩分の摂りすぎ、脂っこい食事が多い
- – 飲酒を週に5回以上する
- – ストレスを溜め込みやすい
- – 一日の睡眠時間が6時間未満
- – 顔にシワが多い
- – 白髪が目立つ
- – むくみがある
- – 爪が割れやすく、手足が冷えやすい
- – 皮膚のたるみが出てきた
あなたは何個当てはまりましたか?3つ以上当てはまる方は要注意です!
それでは実際の血管年齢の測定方法を見ていきましょう
血管年齢の測定方法
先ほども申し上げた通り血管年齢は医学的に定義されたものではないので決まりはありませんが主に2つの方法で測定されます。
足首上腕血圧比(CAVI)による測定
CAVIは、上腕と足首の血圧値から血管の硬さを測定する検査です。検査は非侵襲的で、痛みもありません。
具体的な流れは以下の通りです。
- – 上腕と足首に血圧計の腕カフを装着します。
- – 血圧と脈波の測定を行います。
- – コンピューターが血管の硬さの指標であるCAVI値を自動計算します。
- – CAVI値から血管の生理学的年齢である血管年齢が算出されます。
例えば、実年齢40歳の人がCAVI値を測定したところ、血管年齢が50歳と判定されれば、血管がその年代より10歳老化していることになります。
血管内皮機能検査(FMD)による測定
FMDは、血管内皮細胞の機能を評価する検査です。
- – 最初に上腕に血圧と超音波検査の腕カフをつけます。
- – 一定時間腕カフを加圧して一時的に血流を止めます。
- – その後、解放した時の血管の拡張反応を超音波で観察します。
- – 血管拡張率が低ければ内皮細胞の機能が低下し、血管年齢が高いと判定されます。
FMDでは血管の柔軟性を直接評価できますが、検査が煩雑なのが難点です。
このように、CAVIとFMDは違う側面から血管の健康状態を評価し、血管年齢を推定しています。医療機関で簡便に受けられる検査ですので、定期的に受診することをおすすめします。
ではこうやって得られる血管年齢を若く保つためにできることはあるのでしょうか?
血管年齢を下げる食べ物7選!
血管年齢が高いと、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。健康的な食生活を心がけることで、血管の老化を防ぎ、血管年齢を下げることができます。以下が血管年齡を下げる食べ物の7選です。
青魚
EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、動脈硬化の予防や血行の改善に役立ちます。サーモン、マグロ、サバなどがおすすめです。
野菜
ビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化物質が豊富で、活性酵素の働きを助け血管を保護します。特にトマト、ブロッコリー、ナスなどが効果的です。
果物
ポリフェノールやフィトケミカルといった植物性の抗酸化成分が含まれ、血管の老化を予防します。ブルーベリー、りんご、オレンジがおすすめです。
豆類
食物繊維やイソフラボンが豊富で、コレステロール値の改善や血管弾力性の維持に寄与します。大豆、小豆、レンズ豆などがよいでしょう。
お茶
カテキンに代表される抗酸化ポリフェノールが含まれ、血管の老化を遅らせる働きがあります。緑茶はもちろん、紅茶も効果的です。
ナッツ類
良質の植物油や食物繊維、ビタミンEなどが豊富に含まれ、血管を保護する働きがあります。くるみ、アーモンド、カシューナッツがおすすめです。
にんにく
アリシンという成分に強力な抗酸化作用があり、血栓の予防や血管拡張作用があります。料理に取り入れるのがおすすめです。
これらの食べ物を上手に組み合わせた食生活を心がけましょう。運動と併せて、健康的な生活習慣を送ることが大切です。定期的に血管年齢を確認し、若々しい血管を保つ努力を怠らないようにしましょう。
では具体的なレシピを挙げますので是非参考にしてください。
レシピ
鮭とブロッコリーのホイル焼き
- – 鮭のホイル焼き用切り身 2切れ
- – ブロッコリー 1株
- – にんにく 2かけ
- – レモン汁 適量
- – オリーブオイル 適量
- – 塩、こしょう 適量
【作り方】
- ブロッコリーは小房に分けて洗う。にんにくはみじん切りにする。
- 耐熱皿にアルミホイルを敷き、その上に鮭、ブロッコリー、にんにくを並べる。
- オリーブオイル、レモン汁、塩こしょうを振りかける。
- ホイルで魚介類が蒸気で蒸し焼きできるようにホイルを袋状に閉じる。
- 180度のオーブンで15-20分焼く。
鯖とナッツ香る豆乳クリームパスタ
- – 鯖の缶詰(水煮または味噌煮) 1缶
- – 小麦粉 大さじ1
- – バター 15g
- – 豆乳 200ml
- – 塩、こしょう 少々
- – マッシュルーム 1パック
- – クルミ 30g
- – パスタ(ペンネ等) 160g
- – 香菜 少々(お好みで)
【作り方】
- 鯖の缶詰は身を粗くほぐしておく。クルミは粗く刻む。
- 鍋に豆乳、小麦粉を入れてよく混ぜ、中火で烏冒を立てるまで加熱する。
- バターを加え、塩こしょうで味を調える。
- パスタは別の鍋で茹でる。
- フライパンでクルミとマッシュルームを炒め、3のホワイトソースを加える。
- 最後に鯖の身を加えて、火を通す。
- 茹で上がったパスタに6を絡め、香菜を散らせば出来上がり。
鮭とアボカドの春雨サラダ
- – 鮭の切り身 2切れ
- – 春雨 100g
- – アボカド 1個
- – トマト 2個
- – レタス 1個
- – 大葉 1パック
- – 万能ねぎ 1/2本
- – <ドレッシング>
- – 米酢 大さじ2
- – 粗挽き胡椒 少々
- – 塩 小さじ1/4
- – オリーブオイル 大さじ2
【作り方】
- 鮭は皮をとり、アラを除去して一口大に切る。フライパンなしで塩ゆでし、粗熱が取れたら水に放す。
- 春雨は製造元の指示通り戻し、冷水で締める。
- アボカドは果肉を一口大の角切りにする。トマトは1cmの角切り。
- 万能ねぎは小口切り、大葉は3cm長さに切る。
- ボウルに全ての野菜、鮭、春雨を入れ、調味料を加えてよく和える。
まとめ
如何でしたでしょうか?
今回ちまたに言われている 血管年齢について簡単にお話しましたがお分かりいただけましたか?
実年齢より血管年齢が高ければ、血管の老化が進んでいる可能性があり、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。リスクのうちは無症状で気づくのが難しいです。もしチェックリストに当てはまることがあれば是非循環器専門医のいる医院で血管年齢を測定しましょう。
また、いきなり薬を飲まないで良いように、血管年齢を下げられる食べ物を普段の食事にとりいれて下さい。
血管年齢は生活習慣の改善で若返ることができます。健康的な食事と運動で、若々しい血管を保ちましょう。
以上