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胸苦しい、もしかして心筋梗塞の前兆かも?あなたのその症状大丈夫ですか?今すぐ知りたい心筋梗塞の特徴と対処法

しぎょう院長

こんにちは、しぎょう循環器内科の執行です。
今あなたは胸の症状を感じて不安を抱えていませんか?

もしかして心筋梗塞だったらどうしよう
突然心臓が止まらないだろうか

誰にも相談できない時間で悩まれていませんか?本日はあなたのその胸の症状が心筋梗塞の前兆ではないか解説します。
文章だけでは伝わらないことがあるのと実際に会って診察をしないと(オンライン診療では厳しい)分からないことがあるので症状がある方はかかりつけの循環器専門医に相談してください。

さてでは始めていきます。

この記事を書いている人

しぎょう循環器内科・内科・皮膚科・アレルギー科 院長 執行秀彌           

【資格】

日本循環器学会専門医

日本内科学会 総合内科専門医 指導医  

日本心臓リハビリテーション指導士

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心筋梗塞の症状ってどんなの?

まず悠長にこの記事を読んでいる暇があるのかを知るために今のあなたの症状と見比べてください。

心筋梗塞の症状はこれといって断定できるものではなく中には無症状に進行してしまっている方もいます。しかしこういった症状では怪しいというものが複数あるのでお話しします。

  • 胸痛 :激しい絞扼感や重苦しい痛みがある。胸の中心ですることが多いがなかには左腕、左肩、あご、背中にも広がるあるいはそこだけということがある。
  • 呼吸困難: 空気が足りない感じや喘鳴がする。
  • 冷や汗 :額から冷たい汗が流れる。
  • 嘔気、嘔吐: 強い吐き気がしたり、実際に嘔吐することもある。
  • 不安感: 異常な不安感や死の恐怖心を感じる。
  • 失神:一時的に意識を失うこともある。
  • めまい、立ちくらみ:ふらつきを感じたり、フラフラする。

これでなければ大丈夫という訳ではありませんが上記の症状はかなり怪しいです。当てはまるものがある場合は早く受診することを検討してください。

心筋梗塞はどんな病気?

心筋梗塞という名前はよく聞かれると思われます。
しかし実際に心筋梗塞についてはあまりイメージがついている方は多くないと思います。というのも患者さん自身は突然起こったという方が多いのですがそもそも症状がなくても実は患者さんの中で動脈硬化が進んで起こってしまうのが心筋梗塞です。今から心筋梗塞の病態について、分かりやすく説明します。

心筋梗塞は、心臓の筋肉である心筋が損傷を受けた状態を指します。その原因は、冠動脈と呼ばれる心臓への血液を運ぶ動脈が詰まってしまうことにあります。

冠動脈とは、心臓の表面を走行する太い動脈で、心筋に酸素と栄養を届ける重要な役割を担っています。この冠動脈が何らかの原因で狭くなったり、閉塞してしまうと、心筋への血流が遮断されます。これを虚血と呼びます。

虚血が続くと、その部位の心筋は酸素と栄養が行き渡らなくなり、次第に損傷が進行していきます。そして長時間虚血状態が続くと、最終的にその部分の心筋が壊死(細胞の死亡)に陥ってしまうのです。これが心筋梗塞です。

心筋梗塞が起こると、心臓のポンプ機能が低下します。そのため、全身に十分な血液を送り出せなくなり、重篤な状態に陥る可能性があります。場合によっては、致死的な不整脈を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。

実際、心筋梗塞をおこされた患者さんの約15~20%が発症後1年以内に亡くなられているといわれています。予後は迅速な治療介入がなされるかどうかによって大きく変わってきます。

早期に専門的な治療が受けられれば、心機能の低下を最小限に抑え、後遺症を防ぐことができます。一方、治療が遅れると、回復が難しくなる可能性が高まります。

そのため、胸痛などの心筋梗塞が疑われる症状があれば、至急、救急車を要請し、医療機関へ搬送を受ける必要があります。対応の遅れが命取りとなる病気なのです。

心筋梗塞の原因は?

先ほど冠動脈の閉塞とお伝えしました。その閉塞が起こる原因としては以下のものがあげられます。

動脈硬化性冠動脈病変(約80~90%)

最も一般的な原因で動脈硬化のプロセスにより、冠動脈内膜にコレステロールなどの脂質が蓄積し、粥腫(プラーク)を形成します。プラークが破綻して血栓が生じると、冠動脈が急激に閉塞する可能性があります。先ほど絵にかいたものです。

冠動脈解離(約10~20%)

冠動脈の内膜下に入り込んだ血液によって、内膜が外膜から剥離する病態です。解離によって真腔が狭小化したり閉塞したりします。高血圧、外傷、手術操作、動脈硬化などが原因として知られています。こちらは先ほどのようにプラークが破綻するという訳でなく血管が何かしらの外部からの圧力で裂けてしまう状態です。

冠動脈血栓症(約2~4%)

高血圧や脂質異常症、糖尿病などの冠危険因子がなくても、血液の過凝固状態(どろどろと詰まりやすい状態)から冠動脈内に血栓が生じて虚血を起こすことがあります。抗リン脂質抗体症候群や癌の合併、経口避妊薬の服用などが危険因子とされています。

冠動脈塞栓症(約1%未満)

心房細動による心腔内血栓、心内膜炎による心内膜vegetation、大動脈解離による遠位塞栓が原因となり、冠動脈に血栓が迷入することがあります。分かりづらい言葉で申し訳ありません。心臓の冠動脈ではない場所で作られた塞栓(詰まり物)が冠動脈に流されてきて詰まってしまうという状態です。

冠動脈攣縮 (割合は不明)

冠動脈の一時的な攣縮により、冠血流が途絶え、一過性の虚血が生じる病態です。喫煙や低温暴露が誘因とされています。

こちらは普段は血管が十分にあいているのに何かしらのストレスで冠動脈自身が狭くなってしまうことが起こり日本人に多いとされています。喫煙や飲酒、寒冷刺激、ストレスが原因と言われています。

このように、動脈硬化が最も多い原因ですが、他の機序による冠動脈閉塞・狭窄もあり、若年層だからと心筋梗塞は否定できません。ですので予防するためには禁煙や血圧、脂質、糖質の管理をしっかりと無症状のうちから行っておくことが大切です。

心筋梗塞になる前兆をつかめる?


心筋梗塞の発症は突然で約7割の方が最初の胸痛が心筋梗塞だったという報告があります。
逆にいうと3割の方は以前からの予兆があるわけでその時点で治療をしていたら良かったと後悔しても後悔しきれません。

心筋梗塞の前兆として

心筋梗塞の前兆
  1. ここ2か月で始まった胸痛
  2. これまでよりも軽度の運動で起こるようになった胸痛
  3. 安静時に起こる胸痛

が特徴的です。症状の出方は冒頭に述べた出方です。
もしこういう状況であれば仕事が忙しかろうが何だろうが循環器専門医のいる病院にすぐさま受診してください。

さて話は戻しますがなぜ約7割の人は突然発症なのでしょうか?よくこちらの絵をご覧になった事があると思います。まだ症状はないからもっと狭くなってから治療するので良いかなと患者さんで仰られる方もいます。

実はこのモデルは正しくないんです。

冠動脈が詰まるうちの約7割は50%程度の狭窄度の部分のプラークが突然破裂して閉塞するといわれています。

ニキビが急に破れるように血管の内側ではなく外側に大量のプラークが蓄積していてそれが破れて急に閉塞してしまうことが原因です。
ですので無症状でも先述したようにリスクを徹底的に管理しておくことが大切です。

心筋梗塞の診断はどのようにする?

Doctor analyzes the electrocardiogram results, close-up. Diagnosis of arrhythmia, heart rate and heart disease

心筋梗塞かどうかは心電図や心臓超音波検査、血液検査などであたりをつけて怪しい場合は緊急でカテーテル検査を行い診断を確定します。
普段の心電図との比較で僅かな変化に気づく場合もあり普段から心電図をとっておくことが大切です。

心筋梗塞の治療は?

冠動脈が狭窄、閉塞している場合は一刻も早く虚血を解除しなければ心臓の細胞がどんどん死んでしまいます。死んだ細胞はもとに戻りませんし死ぬ間際に不整脈を起こし突然の原因に繋がります。そのため一刻も早く虚血の解除を行う必要があります。凡そ発症からですので原則は緊急カテーテル治療を行います。しかし状況によってカテーテルができない場合や発症から時間がたっている場合は行わないこともあったり、心臓バイパス手術を選択することもあります。

なってしまった心筋梗塞その後はどうしたらよい?

先ほども言ったように死んでしまった心臓の細胞はもう二度と戻りません。ですので生き残った細胞をうまく生かしていくしかありません。
そのために心臓に負担をどれだけとっていくかを考え血圧をしっかりと下げます。また他の血管も動脈硬化が進んでいることが予想されるためこれ以上進行し第二の心筋梗塞の発生をするのを抑えるためにコレステロールや血糖のコントロールを厳格に行います。
ですので血液検査で基準値に入っているのに薬を増やされたと思われている方もいるのですが基準値はあくまで健康で心筋梗塞を起こしていない方向けの基準値なのでそういったことも起こります。薬の処方理由に疑問がある場合はすぐに担当の医師に確認してください。患者さんと医師の二人三脚で再発を防ぐ病気です。

そして心臓以外にも体の筋肉量の増大を目指し運動をします。運動については良いことは知っていても心臓が傷んでしまって運動をどうやって良いのか分からない、不安、息切れで運動なんて考えられないという方もたくさんいらっしゃいます。そういった方向けの運動として心臓リハビリテーションがあります。

例えば心筋梗塞後に心臓リハビリテーションをした方としていない方ではした方の方が死亡率が20%も減少したという報告があります。これは心筋梗塞後の生命予後改善効果が謳われてる薬のトップレベルの効果と同等であり是非導入することを勧めたい治療であることが分かります。

心臓が悪くても安全かつ効果的に行える運動です。詳しくはこちらをご覧ください。

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なお当法人では塚口で心臓リハビリテーションを積極的に提供しておりご興味がある方はこちらより初回診察のご予約をお取りください。

まとめ

本日は心筋梗塞についてお話をさせていただきました。ならないことが一番ですが不幸にもなってしまったとしたら今後の人生を楽しむためにあなたに確実に守ってもらいたい事があります。

1)内服薬を確実に服用すること
2)睡眠や食事など生活習慣を整えること
3)日々の運動を心がけること(心臓リハビリテーション)

1)内服薬を確実に服用すること
先ほども少しお話をしましたが薬は本当に大切です。基準値に達していると自己判断でやめてしまう事はないように、特に血をサラサラにする薬と言われるものは止めてしまうと急にステントが閉塞してしまう方もいますので注意が必要です。

2)睡眠や食事など生活習慣を整えること
これまでの生活習慣の無理がたたって心筋梗塞になってしまいました。不幸な事ですが一方で生き残ったというのは幸運なことであり是非今後のご自身の生活を見直していただきたいと思います。薬を飲ンでいたら後はなにをしてもよいと思われているのですが、実はそうではありません。寝不足や喫煙、過度の飲酒はやはり負担になります。また幾ら内服していても減塩や過食をずっと続けているのは良くありません。

3)日々の運動を心がけること
心臓を傷めてしまい運動を諦めたという方が未だに外来でもいらっしゃいますが寧ろ傷めたからこそ運動をやるべきです。しかし不安があるとおもいますので是非当法人で行っている心臓リハビリテーションで運動習慣をつけていただき日々のご自宅での運動を行えるようにしてもらいたいと思います。

以上

参考文献

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