健診で異常が見つかった時やったらいけないのはどれ?
- 運動と食事で、まずは頑張ってみる
- しばらくはそのまま様子をみる
- 一番近いクリニックに行く
もしあなたが健診を受けてこれらの行動をとってしまっていたなら、知ってもらいたいことがあります。
というのは 答えはすべてやってはいけないことだからです。
しかし何故そうなのかも知ってもらいたいと思います。
- たしかに素晴らしいことですが、実は怖い病気の始まりだったということもありますのでまずは一度しっかりとした専門家に相談し必要な追加検査をすることが大事です。ご自身で判断されるのは危険です。
- しばらくは様子を見るというのは一番やってはいけません。この答えを選ばれた方が多いのではないでしょうか? A以上に危険です。そして様子を見て症状が出た時には進行してしまっている可能性が高いのです。
- これはなぜ問題なのかと思われる方もいると思います。しかし健康診断で引っかかる項目のほとんどは生活習慣病です。生活習慣病はそれ自体は症状がありませんが、知らない間に血管を蝕んでいき症状が出たときは全身の血管がボロボロということも珍しくありません。数字だけみる医師(非専門医)に相談をしても血管のことは把握してもらえませんので、近いから行くというのは危険です。健診をせっかくうけてもそれから適切な治療に進めなければ受ける意味がなくなってしまうからです。
さて、では健診をうけた境遇が似た2人の異なる結果についてお話をしたいと思います。
~ 何が明暗を分けるのか
「同級生」
50代前半の女性A子さんとB子さんは同級生で、30年来の友人です。 二人は幸せな結婚をし、二人とも二人の子供に恵まれ幸せな毎日をすごしていました。 数年前、二人の共通の友達が心筋梗塞になりました。その友人は健康診断を受けて毎年高血圧、高コレステロール血症を言われていたのにも関わらず症状がないからとほったらかしにしていました。
「心配」
友人の方は心筋梗塞になったこともあり、以前と比べ元気がなくなりました。毎年一緒に温泉に行っていたけど自信がないからやめておく・・・。塩分が濃い食事はとれないから一緒に外食には行けない。これまでは仲良く3人でいつも会っていたのに急にこんなことになって、 「もし自分も心筋梗塞になったら・・・」と自分の体が心配になりました。
「根拠のない自信」
心筋梗塞になった友人と同じくA子さんとB子さんは健診結果では高血圧や高コレステロール血症を指摘されていましたが「症状がないから」「自分は大丈夫」と根拠のない自信を持っていました。
「不安からの解放」
さっそくA子さんはこれまで健診で指摘されていた高血圧、高コレステロール血症の専門医を調べて診察を受けました。最初「もしかしてほっていたことを怒られるんじゃ・・・」「受診しなくても自分が心筋梗塞になる確率は低いのでは」 という気持ちもあったのですが、友人の変わってしまった姿を見て、「家族に迷惑はかけられない」と思い切って受けることにしました。 専門医は血管の状態をしっかりと診察、検査をして「たしかにほったらかしにしていたのは良くないし動脈硬化は進んでしまっているけどまだまだ取り返しがつく段階です。良く思い切って受診してくれましたね。これから心筋梗塞にならないように一緒に血管を守りましょう」と言われました。
「一瞬」
一方のB子さんは、「自分に限って大丈夫」「いって嫌な事言われたらどうしよう」「薬は飲んだら止められないと聞くし」とやっぱり受診しなくても問題ないのではないか という気持ちになってきました。 自分で食事のことを気にしよう、運動を頑張ろうと決めて診察を受けなかったのです。 それから数年が立ち、胸に違和感がある日がありました。 一瞬友人の心筋梗塞のことが頭に浮かんだのですが、しばらくするとその違和感は消えたため、 気になることもなくなり、しばらくそのままにしていました。
「ボロボロ」
それから1年後また胸に違和感があり、いつもすぐに治まるしと様子を見ていましたが治まりません。冷汗が出てきて倒れてしまいました。夫が救急車を呼び病院に運ばれました。そこで、「心筋梗塞」と診断されました。血管はボロボロで心臓もかなり傷んでいる状態だったのです。
「原因」
さて、同じ日に友人が健康診断をほったらかしにしていて心筋梗塞になったことをきっかけに健康に対する意識が変わったA子さんとB子さんの、この未来の違いを引き起こした 原因は何だったのでしょうか?
「期待」
B子さんは、「自分だけは心筋梗塞にならないのでは」という期待と、「怒られるのではないか、薬を飲みたくない」という気持ちが大きく、 A子さんは、「早く専門医の診察を受けて、不安な日々から開放されたい」という気持ちが大きかったのです。
「大切」
健診は、心筋梗塞をはじめ動脈硬化で亡くなる人を減らせる確率を高める非常に大切だと思います。しかしその結果から正しい行動をとらないと受けている意味がありません。
「あなたも、もし健診で何か指摘されていたら専門医の診察を受けて、不安から開放されませんか?」
受診しない方の理由
「忙しくて時間がないから」
普段のお仕事が忙しくて、検診を受ける時間が無いと思われている方が多いと兵庫県健康財団の検診アンケートにありました。
心臓検診は心臓超音波検査、運動負荷心電図検査などをして、待ち時間を合わせても、約1時間あれば終わります。
心臓が痛んでしまう前や痛んでいてもより早期に見つけることで、ほっていた時と比べて治療が軽くなるケースもあり、逆にほっていたことで進行していることにより、たくさんの薬を飲まないといけない、入院してカテーテル治療など強い治療を受けなければならないケースもあります。早く見つけることで、治療が軽くなる傾向があることは確かです。
「あなたも、早めに心臓検診を受けて、不安から開放されませんか? 」
「面倒だから」
こちらも忙しくて、時間がないという理由とかぶるのかもしれませんが、アンケートにありました。
心臓病は症状がないときの早期発見により大部分が手術などもせず運動や食事、少量の薬で付き合っていける病気ですが、長らく放置し進行した状況ではカテーテルや胸を開いた手術などの難しく負担がかかる治療が必要になります。そして最終的に命に関わる病気となってきます。 大切なご家族に悲しい思いをさせないためにも、ひと手間を惜しまないようにしましょう。
「今は健康に不安がなく自信があるから」
こちらも検診アンケートにありました。 今まで大きな病気をしたことない人ほど、この回答が出るようです。
しかし他人事ではありません。心臓病で死亡する割合が7人に一人と言われている時代です。 自分だけは心臓病にはならないという主観的な自信ではなく、 客観的な確率データがあるのです。
心臓病になった多くの方から、”自分だけは心臓病にならないと思っていた”という言葉を聞きました。 しかし、心臓病は思ったよりもずっと身近な病気です。そして早期に治療すればするほど負担が軽く、生存率を上げることのできる病気です。
心臓病で亡くなる人を減らすため、早期発見を目指すために”健診”があります。その健診を正しく活用しましょう。
「まったく症状がないから」
高血圧や高脂血症、糖尿病をお持ちの方の多くの方がこのような理由をおっしゃります。
しかし実は自覚症状の現れない軽度の段階でも、心臓発作の危険がある病気です。アメリカ国立衛生研究所のデータでは、心臓発作で死亡する人の50%以上が、それ以前はまったく自覚症状がなく、初めての発作で命を落としたことがわかっています。
予期できない突然の別れでご家族に悲しい思いをさせないためにも診察を受けましょう。
「悪い結果を言われるのが怖いから」
今回このサイトを訪問してくれたあなたも、自分の心臓に少し不安があり自分の心臓の不安を解消したいと思って検索していただいたのではと思います。
このサイトでは、健診を受けその後に受信をするメリットや、受けないことによるデメリットを 理解していただくために、知っていただきたいことを書きました。 早い段階での治療のチャンスを逃してしまう場合があるのがとても残念だからです。少しでも心臓病で悲しい思いをする方が減ることを願っています。
専門医の診察を早めに受けることで、何もなければ不安から解放されます。
万が一心臓病が見つかったり予備軍といわれた場合でも、早期発見であればストレスなく付き合っていける可能性の高い病気です。
発見が遅れて、心臓に負担がかかり続けていてなどを起こしてしまうと、治癒が困難になり、長期化します。 また 、症状が出てからだと仕事と治療の両立は厳しいく、満足な治療を受けられず悪循環にはまってしまう方も多いです。
少しでも心臓病で悲しい思いをする人が少なくなるように、せっかくのチャンスを逃さないように定期的に専門医の診察を受けましょう。