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下の血圧は高いとよくない?そんなことはありません!

しぎょう院長

こんにちは、しぎょう循環器内科皮膚科の執行です。

本日のテーマは下の血圧です。

よく外来で下の血圧が高くて・・・と心配そうに相談される方がいらっしゃり以前に動画を配信しました。

思った以上に下の血圧に関して悩まれている方が多く多数の方に動画をみていただいたので動画になじみがない方へも伝わればと思い今回下の血圧について説明しようと思います。

あなたはこんな風に思っていませんか?

  1. 下の血圧は高いと危険だから低ければ低いほどよい。
  • 下の血圧が一番大切なので下の血圧を治療の中心として考えている
  • 血圧治療を受けていて下の血圧がだんだん上がってきて不安だ

もしこんなお気持ちがあるなら今日のお話はあなたにとって有益かもしれません。

そもそも血圧って?

血圧が高いこと自体はほとんど症状がなく気づかずに過ごしている方はたくさんいらっしゃいます。しかしほっておくと徐々に血管が傷んでしまい動脈硬化が進んでしまいます。

ある日その傷んだ血管がつまったり、切れたりすることで脳なら脳梗塞、脳出血、心臓なら心筋梗塞などの病気になり命にかかわるもしくは大きな後遺症を背負って人生が一変してしまいます。

そうなりたくないから治療をしているのですが血圧のことがわからずになんとなく治療を受けていると実は血管が傷んでしまっているかもしれません。

さて、まず血圧で血管が傷むのはどうしてなのかをご説明します。

心臓は図のように1分間に60~100回絶え間なく収縮をしては拡張を繰り返しポンプの役割で全身に血液を送り届けています。

血液の中の酸素や栄養素が人間を構成する各臓器、引いては細胞が生きていくのに絶え間なく必要だからです。

その収縮期つまり心臓が血液を送り出している時間と心臓が新たに収縮するために新しい血液を取り込んでいる拡張期がありそれぞれの時間で血圧を収縮期血圧、拡張期血圧と言っています。

収縮期、つまり心臓が収縮している時の血圧、上の血圧が血管壁を圧している時の圧力です。これは高ければ高いほど血管の壁を傷めてしまいますので動脈硬化につながります。

左の図のように血液が心臓から送り出されたとき血管は本来柔らかいので圧を逃がして広がります。ですので柔らかい血管では収縮期血圧が上がりにくいことがわかります。

一方で硬い血管では広がりにくいのでおのずと収縮期血圧が上がることがわかります。

ですので収縮期血圧が高いのは血管にとって悪いですし血管が悪い(硬い)と収縮期血圧が高くなります。いわゆる鶏と卵のような関係ですね。

さて、では収縮が終わったあと拡張期はどうなるでしょうか?

拡張期は心臓が休んでいます(正確には心臓は収縮するよりも拡張する方にエネルギーを使うので正しくはないですが理解しやすいのでこの表現としています)。

その際に拡がった血管が元のサイズに戻ろうと押し戻します。その際の血圧が拡張期血圧=下の血圧です。

するとふと気づかれると思うのですが、硬い血管であればあるほど血管が拡がりにくいので血管が硬い人ほど下の血圧は圧す力が弱いから上の血圧の数値から下がることがわかると思います。

では下の血圧は高ければ良いのか?と思われるかもしれませんがそう簡単な話ではないので次に下の血圧を決定する因子をご説明します。

下の血圧を決めるものは?

下の血圧は先ほど言ったように心臓が休んでいる時に膨らんだ血管が自分の力で戻す時に発生する圧力です。

血管だけを主体にお話をすると血管の硬さによって硬いほど下の血圧は下がるという話になるのですが、心臓から一回の収縮でどれだけ血液が来ているかによって同じ血管でも拡がり具合が違ってきます。

ですので心拍数が増えると一回の心臓から出てくる血液は減るし心臓自体のパフォーマンスが低いとそもそも血液の量が少なくなります。

ですので血管が柔らかいほど下の血圧は上がる傾向にある一方、

心臓からの1収縮で送られてくる血液が少ない、その理由は心拍数と心臓のパフォーマンスほど下の血圧が上がります。

心拍数はどちらが良いとは言えませんが心臓のパフォーマンスが悪いほど下の血圧は上がる(=正確には上の血圧と数値が近くなる)ことになります。

ですので下の血圧は高ければよいという訳ではなくその方その方の血管の硬さや心臓のパフォーマンス、その時の心拍数を把握して総合的に判断しないといけません。

自分自身の下の血圧に関してどのように考えるか

先ほど申し上げたことをすべて調べてみて結論を出すということになります。

心臓の状態をまずは心臓超音波検査で確認し血管の硬さを調べる検査などを併せて判断します。

ただ血圧の薬を飲んでいれば良いというものではありません。

そして身も蓋もありませんが下の血圧に注意をしている人ほど上の血圧が高いのをなぜか気にしていない方もいます。

高血圧ガイドラインでも書いてありますがまずは上の血圧の管理を徹底して行うことが大切です。

まとめ

・血圧の管理は血管の評価が不可欠、なぜなら血圧の数字をコントロールするよりも血管がきれいであることの結果が大切だから

・下の血圧は上の血圧程単純ではない。様々な因子が絡み合っているので高いから心配など一喜一憂しなくて良い。しかし下の血圧が正常値でない(高くても低くても)一度心臓や血管を調べてほうが安全

・血圧治療は本当に奥が深い。ただ血圧の薬を毎月もらっているだけでは本当の目的は達せられない可能性がある

以上

この記事を書いた人:

しぎょう院長

Dr. 執行 秀彌(しぎょうひでや)

しぎょう循環器内科・内科・皮膚科・アレルギー科 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

日本循環器学会認定循環器専門医
大阪市立大学医学部を卒業後
国立循環器病研究センター病院や住友病院等を経て2020年4月に開業
最寄駅:JR立花(徒歩20分)および尼崎センタープール前(徒歩10分)