当院における新型コロナウイルス感染症への対策につきまして

コロナワクチン3回目、高血圧のあなたは打っても大丈夫?

しぎょう院長

こんにちは、循環器専門医、総合内科専門医の執行です。

本日は高血圧患者さんが3回目のコロナワクチンを受けるかどうかについての                                                        考えるきっかけになる情報をかみ砕いてお伝えしたいと思います。

あなたはこんな不安を抱えていませんか?

☑血圧があがらないかな…

☑副反応が起こったらどうしよう…

☑そもそも打つ意味があるの?

☑今飲んでいる薬に影響はないの?

☑血栓ができたらどうしよう・・・

3回目接種が決まってから外来ではたくさんこういったことが聞かれています。

実際にお会いする患者さんにこれだけ聞かれるのだからたくさんの方が不安に思っていると思い今回まとめさせていただきます。

現在わかっていることや実際患者さんにワクチンを2回接種してきて思うことを伝えたいと思います。

高血圧患者など基礎疾患がある方や60歳以上の方は打った方がよい 重症化率が有意に低下する

ファイザー社のワクチンを含め新型コロナウイルスワクチンは、接種直後は90%を超える発症予防効果や重症化抑制効果があることが確認されていました。しかし、発症予防効果は全世代で重症化予防効果は60歳以上の方で(一部報告では年齢に関係なく)、約半年経過すると、低下していたことがわかっています。

それに対して追加接種を行うと、低下した感染予防効果や重症化予防効果等を再度高めることが確認されています。

もちろん全て国外でのデータですがイスラエルでの3回目接種の研究では、追加接種した場合における入院予防効果が93%、重症化予防効果が92%、死亡低下効果は81%と報告されています。

続いて、60歳以上での追加接種は感染発生率を11.3分の1、重症例の発生率が19.5分の1とかなりリスクが下げられたということもわかっています。

こういった報告を見ると三回目のワクチン接種は効果があることがわかっており、十分に打つメリットがあることがわかります。

モデルナ社製でも接種によって抗体価が76%増加したことが報告されています。

副反応は2回目と同程度で恐れることはない

3回目の追加接種で気になるのが今までも恐れられていた副反応です。

副反応は年齢が低下するほど起こりやすく男性よりも女性に多いことや1回目よりも2回目の方が多いことがこれまでの2回目までの報告で分かっています。では3回目はどうなのかと不安に思われていると思いますが、現在の情報では

2回目と大きく変わらず、リンパ節の腫脹が少し多く報告されている程度で恐れる必要はないようです。

特に65歳以上では副反応は起こっても重度なものは起こっていませんでした。

65歳以上の副反応

モデルナ社製のワクチンでは十代二十代の男性では心筋炎、心膜炎がファイザー社製よりも多いことが確認されています。しかし他の年代で差はなく発生頻度もきわめて低いことがわかっています。

ワクチンによる高血圧患者への特別な影響は?

血圧の上昇が一時的にみられるなどの報告がありますが総じてもとに戻っている方がほとんどです。また高血圧患者であるから特別に副反応が増加したという報告はこれまでの2回の接種でもありません。

当院でも多くの高血圧患者さんに接種を行いましたが注射部位の痛み、腫脹や倦怠感、頭痛、発熱などは健常者と変わりなく特別多くはありませんでした。

また血圧の上昇も見られる方は2名のみ(全体は374人)で1か月後の外来では落ち着いていました。

現在の落ち着いた感染状況でも打つべきか?今後の感染状況は誰もわからないが海外では再度拡がっている。

上記を踏まえるとワクチンを3回目接種することはそこまで重大事と考える必要はないし効果も上がることが期待でき推奨できそうです。

しかし現状(2021年12月18日時点)では全国での新型コロナウイルスの感染が日本国内では沈静化しており果たしてワクチンを打つ必要があるのか?と思われている方もいらっしゃると思います。

未来のことはわかりませんが現在世界ではオミクロン株の出現もあいまってり再度新型コロナウイルスの感染患者が増加しだしています。

これまでの日本での感染状況は世界と比較してかなり良い状況を保ててはいますがこれまでの流行は世界の流行に少し遅れてやってきたことを考えると第6波が来ても何ら不思議ではありません。

オミクロン株はそんなに重症化しないから打たなくてもよい?

このようなことが言われています。実際南アフリカでは重症化(入院)が以前の株と比べて29%低いことが被告されています。しかし南アフリカは人口ピラミッドが日本と違い高齢社会ではありません。ですのでそのまま日本のような超高齢社会にあてはめてよいかわかりません。

今後データが待たれるばかりですが先ほどお伝えしたようにワクチン接種のリスクはそこまで大きくないことを考えるとよほどの事情がない限り接種をしてもよいと考えます。

オミクロン株への効果は3回目接種で中和抗体の増加が確認されている。

まだまだわかっていないことが多いですが、2回目接種の後の血清ではオミクロン株に対する中和抗体はD614G(変異前のもの)と比較して49~84分の1しかなかったと報告されています。しかし3回目の投与によって中和抗体は12.6倍まで増加したことが報告されています。

まとめ

ワクチンは重症化率が低下するし感染率も低下し効果は十分見込まれる

副反応は2回目と同程度で高血圧があるから特別注意をする必要はない

オミクロン株に対しても追加接種によって中和抗体が増加することが確認されている

リスクは高くなく当院は3回目接種を特別な事情がない限りは行うことを推奨します。

参考文献

Lancet. 2021;S0140-6736(21)02717-3                                                         N Engl J Med 2021; 384:2092-2101                                                      Lancet. 2021; S0140-6736(21)02249-2                                                     N Engl J Med. 2021; 385:1393-1400