当院における新型コロナウイルス感染症への対策につきまして

夜間頻尿で目が覚めてしまうあなたへ。もしかしたら高血圧や不整脈かもしれません。

しぎょう院長

こんにちは、循環器専門医の執行です。

あなたは夜に何度もトイレで目が覚めて疲れていませんか?

泌尿器科に行ってお薬をもらっても良くならない・・・。

夜中に満足に寝られないのは本当にしんどいですよね・・・。

寝不足で毎日しんどいとお悩みならこの記事がお役に立つかもしれません。

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夜間頻尿は生活の質を大きく低下させる

あなたは朝起きたときに写真のように陰鬱な気持ちになっていませんか?本当に夜寝られないのはしんどいですよね・・・

夜寝られない大きな原因である夜間頻尿は、睡眠中に頻繁にトイレに起きることを指します。この症状は、年齢や身体的問題、薬の副作用、飲酒やカフェインの摂取などによって引き起こされることがあります。夜間頻尿は、睡眠の質を低下させ、疲れやストレスの原因になることがあります。

一般的には高血圧と夜間頻尿は関係がないと言われていますが実は関係があり泌尿器科でのお薬で良くならない方のなかには隠れ高血圧で心臓に負担がかかっている方がいます。

高血圧でなぜ夜間頻尿になるのか?

高血圧が夜間頻尿の原因となる理由は、大きく分けて4つの理由が考えられます。

1:腎臓への影響

高血圧は、腎臓の血管にダメージを与えることがあります。

腎臓は、体内の余分な水分を排出するために働いていますが、血管がダメージを受けると、その機能が低下し、

夜間頻尿を引き起こす可能性があります。

健康診断で尿蛋白を指摘された方や腎機能低下が指摘された方はこの影響が強いかもしれません。

2:心臓への影響

高血圧は、心臓の負担を増やすことがあります。

心臓は、全身に血液を循環させるために毎時ポンプ運動をしています。

しかし心臓の機能が落ちるとその循環が上手くいかなくなり体内の余分な水分がたまってしまいます。

すると、その余分な水分を外に排出したいというホルモンが心臓から分泌され夜間頻尿を引き起こす可能性があります。

3:睡眠の質の低下

高血圧の原因に肥満をふくめメタボリックシンドロームがあります。

肥満で無呼吸などが睡眠中に起こっていると睡眠の質を低下させることがあります。

その結果軽い尿意でも覚醒してしまい夜間頻尿となり、睡眠の質を低下させ、疲れやストレスの原因になることがあります。

4:薬の副作用

高血圧の治療に用いられる一部の薬剤が、夜間頻尿を引き起こすことがあります。

たとえば、利尿薬は、余分な水分を排出するために利用されますが、過剰に利用すると夜間頻尿を引き起こす可能性があります。

以上のように、高血圧が夜間頻尿の原因となる理由は、複数存在します。

腎臓や心臓が原因で夜間頻尿になっているかどうかはどう判断するの?

腎臓による影響は普段の尿の泡立ち

腎臓が悪いかどうかは普段の生活ではあまり意識することがありません。

例えば尿が良く泡立つなど尿に違和感を感じるのであればもしかしたら腎機能の低下があるかもしれません。

また健康診断でクレアチニンが基準値を上回っている。あるいは尿蛋白が指摘されている。そういった場合はもしかしたらと思い内科を受診した方が良いかもしれません。

あなたの心臓は大丈夫?夜間頻尿の原因の原因かも?

心臓が悪いかどうかですが普段の生活で意識することはあまりありません。意識している方はかなり心臓が弱っているのかもしれません。

夕方になると靴下のゴムの跡がつく、靴がきつい、階段を駆け上がると息があがる。急にドキドキしてしまう。

こういった症状がある方は心臓が弱っているかもしれません。是非そういった方は心臓が専門である循環器専門医である内科医に相談してください。

また特にドキドキする方は不整脈が睡眠中に起こることで夜間頻尿になっているケースがあります。

不整脈の種類にもよりますが良く言われる期外収縮や上室性頻拍、あるいは心房細動などの不整脈によって心房に負担がかかることがあります。

すると心房からANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)という利尿ホルモンが分泌されます。

するとそのホルモンが腎臓に働きかけ尿を作ります。というのも心臓が不整脈を起こして働きが落ちると心臓に負担がかかります。すると尿を出して心臓に帰ってくる血液量を減らし心臓を守ろうとするのがANPの働きです。

こうやって自然と心臓は自助作用で守られているので一安心なのですが、心房細動という不整脈が起こっていると脳梗塞のリスクが上がってしまいます。

脳梗塞リスクが高い方として心臓に病気がある方、高血圧をお持ちの方、高齢の方(75歳以上)の方、糖尿病をお持ちの方、過去に脳梗塞やそのような症状が少し出て回復した方が上げられます。

一つでもお持ちの方で夜間頻尿がおありの方は一度不整脈、特に心房細動がないかどうか調べてみたほうが安全かもしれません。

最近はアップルウォッチで不整脈を夜間寝ている時も検知できるようになっています。高い機械なのでなかなか手が出ませんが装着されている方はそちらで確認してもよいかもしれません。

もう高血圧の治療はしているのに、なんで?じつは薬が原因かもしれません

高血圧の治療のお薬は沢山の種類があります。その中で実は薬の中には夜間頻尿になる物があります。

1:利尿剤

当然ですが利尿剤は尿を増やす薬です。朝食後に飲むことで日中に尿を増やして夜間尿は増やさないように注意して薬を出します。しかし人によっては代謝が遅い、あるいは起きるのが遅くて夜間まで薬の効果が続いてしまっている方がいます。もし利尿剤を飲んでいて夜間頻尿に悩まれているなら本当に利尿剤が必要なのかは主治医に相談したほうが良いかもしれません。

2:カルシウムブロッカー

夜間頻尿の原因としてアムロジピンやニフェジピンなど、カルシウムブロッカーが言われています。カルシウムブロッカーの内服が夜間頻尿のリスクを2.34倍に増加させることが報告されています。

まとめ

夜間頻尿は泌尿器科だけで解決できないことがある

隠れ高血圧があり一度調べないと頻尿ではなく脳梗塞や心筋梗塞の予備軍になるかもしれない

まずは血圧測定と夜のイビキチェック、尿の泡立ちチェックを

不整脈の可能性もある。動悸がある方やリスクに当てはまる方は一度相談を。時間がない場合はアップルウォッチを考慮しよう

以上

この記事を書いた医師

しぎょう院長

Dr. 執行 秀彌(しぎょうひでや)

医療法人社団SHIGYO MEDICAL 理事長

しぎょう循環器内科・内科・皮膚科・アレルギー科 院長
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

日本循環器学会認定循環器専門医
大阪市立大学医学部を卒業後
国立循環器病研究センター病院や住友病院等を経て2020年4月に開業
最寄駅:JR立花駅(徒歩20分)および尼崎センタープール前駅(徒歩10分)

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